宝くじ

 それは昔、貧乏学生だった頃、たまたま買ったジャンボの特別枠?に、デラックスカー賞というものがありました。300万円相当の高級車か、現金がもらえるというものでした。
 新聞の当選番号を見ると、まさに手持ちのくじの番号とデラックスカー賞の番号が一致するではありませんかっ! おぉと小さくさけんだわたしの頭の中には、引越しだとか(当時住んでいたのは古ーい木造アパートでした)、車を買うだとか(安い中古車で十分満足でした)、服を買うだとかそんな小さな事が駆け巡りました。それはもう至福の時間でした。
 そしてもう一度新聞とくじの番号を見比べたのです。あれっ? 下二桁目が… そうです。違っていました。8と3の数字が重なって見えていたのでした。
 短い夢でありました。
 その後、一度もわくわくするくじにあたっておりません。残念です。