警察官に蛮勇を国民は求めているのか?

 先日、バットを振り回して暴れる人から警察官が逃げ出したのが言語道断であると小泉首相がひ反しているところがテレビに出ていました。
 しっかりテレビを見ていなかったので、細かいところがわからないのですが、実際問題として、警察官が暴れる人を放置してそのまま逃走してしまったわけではないのですよね? 体制を整えて保護に取り組んだのではないのですか? いったんバットを振り回す人間から離れることがいけないことなんでしょうか? 警察官は殴られてでも暴れる人を静止しなければならないのでしょうか? もちろん一般の方がそこで危機にさらされていたとしたら、身を挺してでもということは(厳しいことかもしれませんが)求められることだと思います。ただ、テレビの画面からはそのようには見えませんでした。いったん離れて、暴漢を取り押さえる道具を用意したり、応援をよぶということはおかしなことだとは思えません。逃げ出したシーンのみを取り上げてなんたることだと批判するのはまとはずれではないのでしょうか。 実際にはパトカーを奪われそうになっているということがあるので、そこの部分については批判されるべきものだと思います。ただ、批判の論旨はこのことではないように聞こえます。

 さて、http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-050225-0003.html(日刊スポーツの記事)によれば、小泉首相の批判に応えて漆間巌警察庁長官が「弁解の余地なし」と陳謝したとのことです。これには驚きました。余地もないほどの落ち度なのですか? 落ち度はあっても、上のものがかばってやるべき内容なのではないかとわたしは思っております。
 警察官で批判されるべきことはもっとほかにもたくさんあるでしょう。現実には助けを求めている人を放置して知らぬふりをしていた事件なども多々あると思いますけどね。
 さらに驚いたのが。「志を持って警察に入った以上、実務経験があるなしにかかわらず蛮勇をふるっても対応しないといけない」という発言です。何とかしようとする気概をもってのぞんでいただきたいのは山々ですが、「蛮勇」とはおろかな行為であって一見勇ましく見えても何の役にも立たないという例えなのではないのですか? 卑しくも長官と名乗る方がそれを部下に求めるということがわたしには極めて奇異に感じられてなりません。