ライトアップは電力のむだづかい?

 昨日同僚と食事をしていて、クリスマスが近づいてイルミネーションやライトアップされているところが目につくようになったという話をしました。わたしなんかはこういうイルミネーションが大好きなので歓迎の意を示していたのですが、一人からこういったものは電気のむだづかいではないのかという指摘がありました。トーキョーは電力危機がどうたらこうたらなんていっていたのに… というのです。

(独白)ねぇねぇそうじゃないでしょ。夜の電気はむしろ余ってるんですよ。

 自らの失態で電力危機を招く可能性を引き起こした東京電力が行った「電気を大切にね」というキャンペーン・プロパガンダは、正しく意図が伝わらないまま、さまざまな波紋を引き起こしていると思います。以下の記事の受け売りになってしまいますが、電力供給量は、消費される電力がピークになるところを前提に検討されています。それ以外の部分では余裕、言い換えれば過剰な発電がなされているわけです。発電はある程度コントロールできるとはいえ、一定量が連続して行われるわけですから、ピーク時と非ピーク時との消費量の差が小さければ小さいほど、効率的であるといえます。ピーク時の電力消費を抑えることができれば、結果として全体の発電量は抑えられますが、非ピーク時の電力消費を抑えたとしても、「電力危機」を回避することにはつながらないのです。

  古瀬幸広のOFFSIDE 2003年3月7日 電力が足りない?!

 東京電力のキャンペーンを受けて、さまざまなところがライトアップや夜間の営業その他を中止したわけですが、これはまさにキャンペーンの意図が伝わらないどころか逆効果を呼んでいる結果となったものだと思います。本来電力消費を押さえなければならない時間帯である16時あたりから19時あたりについての電力消費量を抑える努力が全くなされないばかりか、ピークを過ぎ、電力が余っている時間帯の電力消費量を抑えることで、ピーク時と非ピーク時との消費量の差を広げてしまっています。差を縮めていく、さらにはピーク時の絶対量を減らすことが目的なのに、全く効果が上がっていません。キャンペーンのやり方が間違っていたということは否めないと思います。

 自分は、夜間のライトアップやさまざまな営業活動を停止させてしまったことは、より景気の冷え込みを加速させてしまったと考えています。お祭り騒ぎはあっていいはずです。

 さて、ピーク時にもPCの電源をいれっぱなしにしているわたしですが、そのあたりをそうするべきかということについてはもっと真剣に考えないといけません。ほんとのところ、あなたが電気をむだづかいしてますよねという指摘には返す言葉がないんです。便利さには抗いがたいものがあります。ただ、やれることは何かってことを考えていく必要はあるとおもいます。

 で、おもしろい記事を見つけました。

  IBMプレス・リリース パソコン電源もオフピーク!電力需要の平準化へ

 ノートPCがピーク時にはAC電源につながれていても自動的にバッテリ駆動に切り替わり、電力消費量の減る時間帯になると充電を始めるということを、研究しているようです。できることからひとつひとつやっていきたいですね。